NordVPN独自技術NordLynxとは?WireGuard+ダブルNATの安全性を解説

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NordLynx(ノードリンクス)の紹介

NordVPNは、2026年現在も最高のVPNサービスプロバイダーとして評価されている企業です。規模、技術力、ユーザー数、コスパなど、あらゆる面で他社を圧倒しています。NordVPNは2022年4月に、WireGuard®プロトコルをベースにした独自技術「NordLynx」をリリースしました。WireGuardベースであるため、NordLynxの速度は従来の主要プロトコルよりも明らかに体感できるほど高速です。NordLynxはWindows、Mac、iOS、Android、およびLinuxのすべてのユーザーが利用可能です。

世界最大級のVPNサービスを提供しながら、最新の技術トレンドをいち早く取り入れ、業界の変化をリードする姿勢は高く評価されるべきでしょう。

リリース当初から継続して使用していますが、WireGuardベースならではのメリットである「軽快さ」「パフォーマンス」「電力効率」のすべてが優れており、さらに大規模サービス向けに安全性がしっかりと補完されています。

WireGuard vs OpenVPN

まずは、最も有名な2つのプロトコルを分かりやすく比較してみましょう。これを知っておくとVPN選びがより楽しくなります。

かんたん比較

WireGuardとOpenVPNは、最も人気があり信頼されているVPNプロトコルです。どちらもデータを安全に保護しますが、異なる暗号化方式を採用しています。それぞれのプロトコルは、特定の状況における適性、速度、暗호化アルゴリズムの面で異なる特徴を持っています。

初心者の方のために難しい説明を省き、極めてシンプルに例えるなら、「OpenVPNはガソリン/ディーゼル車、WireGuardは電気自動車(EV)」のような違いだと言えます。

  • WireGuardは非常に軽量なコードで設計されており、高速です。
    • 暗号化方式: Curve25519, ChaCha20, Poly1305
    • メリット
      • 速度: 圧倒的に速い(ダウンロード、アップロード、レイテンシ)。
      • モバイル親和性: スマホやタブレット環境に最適です。電力効率が良いため、バッテリー消費を抑えられます。
      • セキュリティ: コード構成が非常に単純なため、脆弱性が発生する可能性が低く、修正(パッチ)も容易です。
    • デメリット
      • 標準では難読化機能がない
      • 設計上、動的IPアドレスの管理に制限がある
      • UDP専用のため、ネットワーク環境によっては遮断されやすい
    • WireGuardの詳細解説はこちら
  • OpenVPNは重いものの、長期間あらゆる環境で検証された信頼性があります。
    • 暗号化方式: AES-256
    • メリット
      • 信頼性: 長期間にわたり広範囲で検証済み
      • 高い拡張性
      • 優れた汎用性
      • 細かなカスタマイズが可能
      • ファイアウォールなどのネットワーク制限がある環境でも柔軟に対応可能
    • デメリット
      • 動作が重い: コードが複雑なため処理速度が遅い
      • メンテナンス: コード量が膨大なため脆弱性が発生しやすく、修正にも時間がかかる
      • リソース消費: 比較的大食い

補足説明

1. 両プロトコルの共通点: 現在、どちらのプロトコルも「標準」となっており、私たちが使用するほぼすべてのOSと環境をサポートしています。また、ソースコードが透明に公開されている「オープンソース」である点も共通しています。

2. 初心者向けのおすすめ設定順: NordVPNでは、「自動(Auto) → NordLynx (WireGuard) → OpenVPN」の順で選択することをお勧めします。「自動」を最初に選ぶ理由は、予期せぬ接続エラーを防ぐためです。私自身は、WireGuardの軽量さと高いパフォーマンスを最大限活かすため、常にNordLynxに固定して数年間問題なく使用しています。

3. WireGuardが「主流」になった理由: WireGuardが注目される最大の理由は、その「軽量化」にあります。約7万〜10万行に及ぶOpenVPNの膨大なコードに対し、WireGuardは約4千行に過ぎません。約1/20に短縮されたコードは、単に動作が軽いというだけでなく、セキュリティ的に非常に重要な意味を持ちます。コードが簡潔であればあるほどバグが潜む場所が減り、ハッカーが狙う「攻撃面(Attack Surface)」が劇的に縮小されるからです。

NordLynxのテスト結果

NordLynxのリリース当時、NordVPN側は非常に強い自信を覗かせていました。25万回を超える速度テストを通じて、他のプロトコルよりも高速な接続を提供するだけでなく、ダウンロードおよびアップロード速度が最大2倍まで向上し得るというレポートを公開しています。

NordVPNは、VPNプロトコルが速度に与える影響を把握するため、ユーザーの多様な行動パターンを想定した4つのシナリオを設定してテストを実施しました。クライアント、最寄りのVPNサーバー、海外のVPNサーバー、コンテンツサーバーの4つの要素の各組み合わせをテストするため、NordLynx、OpenVPN、およびIKEv2プロトコルとOokla SpeedTest CLI Toolを含むDockerイメージを作成し、2分ごとにランダムなテストを実行したといいます。計8カ国(*米国、カナダ、ドイツ、香港、シンガポール、豪州、英国、フランス、日本など)、18の都市、そして9つのプロバイダー(*DigitalOcean, Linode, Vultrなど)で48台の仮想マシン(VM)を稼働させ、毎日8,200件の速度テストを実施しました。

VPN企業にとって、単に「速度」だけをテストすればいいわけではありません。CPU占有率、ネットワーク干渉、パケット損失、ネットワーク負荷、各OS別の構成、多様なデバイスでの挙動など、考慮すべき点は山ほどあります。一つのサービスを導入するために、膨大な努力が費やされているのです。

なぜNordVPNはNordLynxを採用したのか?WireGuardとの違いを解説

私がNordVPNを高く評価する理由の一つは、「速い」と主張する際に、こうした具体的なデータやその算出プロセスを透明に公開している点です。VPNに関心の高い方なら多くの公式サイトを見てきたと思いますが、ほとんどが「自称」に過ぎず、説得力のあるデータを示しているところは稀です。

リリース以来、私も現在まで約2年6ヶ月ほど使い続けていますが、他社のWireGuardを使用している時と遜色ないほどサーバーの切り替え速度が速く、ダウンロード速度も申し分ないパフォーマンスを発揮しており、非常に満足しています。

なぜWireGuardベースなのか?

NordLynxはWireGuard®プロトコルをベースにしています。ここで一つ疑問が生じます。なぜWireGuardをそのまま搭載せず、このプロトコルをベースに独自のプロトコルを作ったのでしょうか?

マーケティング目的か?: 最初からWireGuardベースであることを公言しており、名前だけ変えて「独自開発」のように見せるマーケティング用ではありません。業界トップの規模を誇るVPN会社が、あえてそのような小細工をする必要はないからです。WireGuardはOpenVPNに比べて軽量で高速ですが、プライバシー保護の観点でいくつかの弱点があると指摘されています。NordVPN側は、これを補完するための技術的な理由から独自プロトコル化したとしています。

どのような技術的差異があるのか?: WireGuardは次世代プロトコルですが、「難読化」と「動的IP割り当て」の2点が不足しています。もちろん、これらすべての人にとって欠点ではありませんが、VPNサービスとして提供する上では、ユーザーの匿名性をより高めるための工夫が必要でした。

WireGuard + 二重NAT = NordLynx

NordLynxの仕組み解説|WireGuard+ダブルNATで何が違うのか

WireGuardは優れたパフォーマンスの一方で、プライバシー保護に課題があるとお伝えしました。これを解決するため、NordVPNは「二重ネットワークアドレス変換(NAT)システム」を導入しました。これにより、個人を特定可能なデータを一切保存せずにVPNサーバーへの安全な接続を確立でき、WireGuardをさらに強力なセキュリティで包み込んでいます。

NordVPNは、WireGuard®の圧倒的な速度と、高度なプライバシー保護を両立させたNordLynxを通じて、現在最も高速かつ安全なVPNプロトコルを提供していると強調しています。

こうした説明を聞くと、「本当に?」と疑う方もいるかもしれません。しかし、私が以前「B2B(法人向け)サービスを提供する企業は信頼できる」と申し上げた通り、企業向けサービスは一般向けよりも技術的要件が非常に厳しいのが常です。NordLynxは、法人向けVPNサービスであるNordLayerでも実際に採用されています。

結論

結論として、現存する中で最も高速かつ安全であり、モバイル環境にも最適とされるWireGuardを、さらに安全性を高めて進化させたプロトコルであるという主張には十分な根拠と説득力があります。

WireGuardが急速に標準の地位を築いたのは、優れたセキュリティ、速度、そしてメンテナンスの容易さといったメリットがあるからです。特に速度が賞賛されていますが、一方で接続維持のためにユーザーのIPアドレスを記録しなければならないという仕様は、VPN会社にとっては慎重になるべき点でした。

NordVPNはこの問題を「ダブルNATシステム」で解決しました。2つのローカルネットワークインターフェースを生成し、2番目のインターフェースで動的なローカルIPを割り当て、セッション終了時に処理する方式を実装しています。これにより、コードの軽量さを維持しながら攻撃面を最小化し、OpenVPNなどの従来プロトコルと比較してバッテリー消費も抑えるというメリットをそのまま継承しています。

NordVPNは、今「一つだけVPNを選ぶなら」という問いに対して、常に第一候補として挙げられます。詳細な評価とクーポン情報は、こちらのNordVPNレビューからご確認いただけます。