NymVPNレビュー：Mixnet技術を採用した分散型VPNの特徴を解説

About NymVPN

訪問者の方がNymVPNについてレビューしてほしいとおっしゃるので入ってみたら、少し前にBetaが終わっていました。無料で使用してみる機会を逃しました。残念ですが興味深い技術とコンセプトに好奇心が湧きNymVPNについて調べるようになり、旅行の日程が終わるやいなや資料を一つ二つ探してみることになりました。

NymVPNは理論的には現在発売されたVPNサービスの中で最も高い匿名性を提供すると主張しますが、実際の市場で証明するにはかなり長い時間が必要だと見られます。

NymVPNホームページに入ってみると適当に準備したウェブサイトのレベルではありませんでした。つい少し前までベータサービスを開始したVPN会社にしてはクオリティがかなり良くて驚きましたが。見慣れた名前なので探してみたら数年前にNymコインを発行したその団体で作ったVPNだったのですね。

2-3年前にもプライバシー、分散型ネットワーク関連の技術を発表していましたが、もう最初からVPN事業に集中することにしたのかNym.comに接続すればNymVPN紹介が出ます。nymtech過去のロードマップを見ると最初はVPNがありませんでした。

収益モデルが適当でないので急に作ったのか？という気がしましたがかなり準備がよくできているようなので、今後着実に開発され成長してほしいです。

NymVPNは久しぶりに興味を刺激するVPNなので少し内容が長いかもしれません。

NymVPN 比較

Nymサイトで提供するNym vs VPN vs Tor比較表です。O/Xが一緒にあるのは「該当する会社もありそうでないところもある。」という意味です。

これはNym側で提供したデータなので、ひとまずあのような違いがあるんだなと次に進めば良いです。

2つのモード

単一VPNサーバー接続はまだなく、基本的にマルチホップ接続構造です。速いモードが2 hopモード、匿名モードが5 hop分散型ネットワークです。一般的なVPNは二重VPN接続になった時速度が遅くなるのですがNymVPNはどうなのか気になりますね。先に使用してみた海外ユーザーの評価は良くありませんが、もうベータのレッテルを剥がして始まる段階なので見守らなければなりません。

一番目。Fast mode (2重マルチホップ)

このモードは速いブラウジング、ストリーミングおよびファイル共有に理想的な検閲防止バージョンのWireGuardであるAmneziaWGを活用します。

ファーストモードに対する説明にはただWireguardではなくAmneziaWG(WG-Wireguard)という説明が出ます。これはWireguard-Goのフォークバージョンで公式説明によればWireGuardが独特なパケットシグネチャーによって検知に問題があるが、AmneziaWGは高級難読化方法を使用してトラフィックが一般インターネットトラフィックと円滑に混合されるようにしてこの問題を解決すると出ています。

AmneziaWG Github – https://github.com/amnezia-vpn/amneziawg-go ギットハブページあるいは公式ホームページ – https://docs.amnezia.org/documentation でより多くの情報を確認できます。

二番目。Anonymous mode(5重マルチホップ)

ミックスネットを通じて5つのサーバーを通じて接続をルーティングし最高水準の個人情報保護を享受してください。決済、Eメール、メッセージを安全に処理するのに適しています。

速度はさらに犠牲にしなければなりませんがNymVPNで自慢するMixnetを利用するには匿名モードを使用すれば良いです。以下のミックスネットは別途説明します。

zk-nyms

私たちがVPN一つ使うためにこんなにたくさんの勉強をする必要はありませんが、知って使おうとする方のために内容を移します。原文アドレス : https://nym.com/docs/network/cryptography/zk-nym ここで全文を見ることができます。以下はもう少し理解しやすく招待した要約した内容です。

一般的なVPN会社とシステムの下では決済情報とセッション情報が連結され匿名性が壊れる可能性がほんの少しでも存在する可能性があり、特に政府機関やサービス提供者が決済情報を追跡するなら、ユーザーの身元が明らかになる可能性が0%だとは言えないという仮定の下で説明されます。

zk-nym(Zero-Knowledge Nickname)はこのようなプライバシー問題を解決するための技術で、ユーザーは自身の身元を明かさなくても、NymVPN(Mixnet)を使用する権限を暗号化された方式で証明できるようになります。

zk-nymは次のような特性を持っています。

• 再無作為可能: 再無作為はRe-randomizableが翻訳されたものです。一度発行された資格証明を再び無作為化した後、新しい形態で作ることができます。
• 連結不可能: いかなるzk-nymも過去のものと連結されることはできません。
• 匿名性保障: 認証を要求するシステムはユーザーの身元を知ることができません。
• オフライン使用可能: ネットワークがない環境でも使用できます。
• 脱中央化発行: 一つの中央サーバーではなく、複数の参加者が資格証明を発行します。

技術的背景 : zk-nymはCoconut CredentialとOffline Ecashという二つの匿名技術を基盤に作られました。その上にブラインド署名およびコミットメント、再無作為可能な署名、選択的属性公開、閾値署名、ゼロ知識証明などの技術を結合し高度化された匿名認証体系を構成します。

要約すれば

zk-nymを使用する目的は匿名資格証明、匿名支払いの二つです。ウォレットアドレスを公開しなくてもよく、支払った金額や残高、決済番号、決済した人の名前などの情報が公開されることもありません。

ZK-Nym トークン

ZK基盤のブロックチェーンを基盤に構築されたトークン（コイン）でNymVPNの決済システムで使用されるトークンです。このトークンを通じてユーザー証明および決済が行われ、この過程で元の決済者と決済情報が連結されないので匿名決済だと言うようです。

オープンソース

ギットハブ : https://github.com/nymtech/nym-vpn-client ここにクライアントソースが公開されています。オープンソースは管理さえうまくいけばいつでも歓迎です。

独立監査

VPNインフラなどに対してCure 53から2024年7月に独立した監査を受けました。https://nym.com/trust-center/independently-audited ここで確認できます。最初からこのような信頼感を与える部分は良い点数を与えたいです。

10年以上VPNサービスをした企業の中で依然としてただ一度も第三者監査を受けていない会社が数えきれないほどあります。No Logという言葉だけ百回千回言うのではなく、このように信頼できる会社から確実に検証を受けて結果レポート一枚上げるのがはるかに頼もしいです。

Nym Mixnet

Nym Mixnetの概念は1979年David Chaumという人が初めて話し1981年に論文として発表されました。時間が経ち2017年Nymでオンラインプライバシー向上のためのアイディアが発表されながら今のNymミックスネットが推進されました。

Nymミックスネットは3つの階層で構成された分散型コンピュータネットワークだと説明します。多階層なのでTor Networkと似た概念として理解されることがありますが、混合遅延およびパケット無作為化などTorにない機能があり互いに異なる点が存在します。Nym MixnetにはLoopix、Sphinxパケットフォーマット、遅延ランダム化、階層ネットワークトポロジー、ポアソン基盤トラフィックなどの技術が使用されるそうです。(*Sphinxフォーマットは非常に強力ですが、量子コンピューティング時代に備えて「Outfox」フォーマットに交換計画だという)

転送前パケット暗号化過程は5段階であり、進入地点でパケットを多階層暗号化した後、各中間ノード（ミックスノード）は自己階層だけ復号化して次のノードに伝達し出口ノードでのみ元の要請を確認可能です。

元米陸軍情報分析家であり内部告発者であるチェルシー・マニング(Chelsea Manning)がセキュリティ監査を行った後Nymチームに合流し、2022年4月フランスパリでNymメインネットが公式発売イベントがありましたが、演者としてエドワード・スノーデンが招待されたそうです。

通信トラフィックをSPHINXパケット形式を通じて多重階層の暗号化後ミックスネットを通過すると言います。私のトラフィックはミックスネットの各階層で他人のトラフィックと混合され、メタデータもまた難読化されるというのがNymの説明です。ホームページにはNymは「noise generating mixnet」 (NGM)だと説明したりもします。

結論はMixnetの各ノードが自身の役割だけ遂行し残りの情報を知ることができないように設計されているということです。さらに詳しいことはホワイトペーパーを通じて知ることができます。

NymVPN 特徴

まだサービス初期であり、ロードマップに従って開発中です。

• 接続方式: 2モード(2hop, 5hop)
• プロトコル: Amnezia Wireguard (後でShadowSocks, V2ray, Obfs4など追加予定)
• 言語: 10ヶ国サポート
• Entry-Exit国家選択可能
• 本社: スイス
• サーバー: 2025年12月基準45ヶ国200個程度の小規模サーバー
• オペレーティングシステム: Windows、Mac、Android、iOS、Linux (Windows ARMサポート予定)
• オンライン活動、決済情報連結されない (zk-nymsシステムで決済情報がユーザー情報、オンライン活動と連結されるのを防止)
• 既存の中央集中型VPNサービスと異なり分散型モデルで作動

不足している点

2025年12月基準です。

• キルスイッチ: 予定
• スプリットトンネリング: 予定
• 広告、トラッカー遮断: 予定
• 海外ストリーミング地域制限解除: ならないというレビューがある
• 決済方式: 今はカード、コイン決済だけですが今後PayPal、Apple Pay、Google Pay、ステーブルコイン決済、現金決済追加する予定だそうです。(2025年5月予定)

NymVPN インストールおよび使用法

この画面を先に見たらGet Access Codeを押します。

あるいはホームページLoginメニューに入った後あの画面が出れば右下Create one hereを押します。

Generate My Access Codeを押せば24個の単語が生成されます。私のIDとして使用されるため絶対紛失しないように保存しておかなければなりません。

生成および保存が完了すればAccountページへ移りますが、ここでアカウント情報確認、決済およびアプリダウンロードができます。

F-Droid、Obtainium、Flathubなど多様な経路を通じてオープンソースアプリをダウンロードできるのは長所です。

Deamonインストール画面。接続を安全に維持するためにバックグラウンドで回るデーモンです。

匿名情報を送ってくれるかと尋ねます。希望する選択をした後Continueすれば始まります。

アプリを全部インストールして初めて会う画面です。先ほど説明した2つのモードがあり、そのすぐ下で入口と出口を選択した後接続できます。

このように選択できますね。Surfsharkがこのような方式で希望するEntry、Exit Nodeを選択できるマルチホップを提供していますね。

macOS基準まだ設定メニューで選択できるものがほとんどありません。Appearanceはライトモード、ダークモード選択でありLogsに入ってみると

上記のようにAppやDaemonのローカルに保存されるログを見ることができるメニューです。

Android

Androidアプリをダウンロードして実行してみるとBypass LAN、Kill Switchメニューがありますね。キルスイッチは追加予定だと言っていましたがAndroidには入っていますね。

不通

接続ボタンを押してみましたが当然決済をしていないのでサーバー接続にはなりませんでした。ところがインターネットが不通になってしまいました。

プロセスは2つ浮いていましたが両方消してもダメで結局アプリを削除して再起動したら正常に戻りました。ネットワークでVPN活性化もなっていませんでしたが理由は分かりません。

顧客サポート

もし助けを受けられるかと思いチャットを試みましたが働く時間ではないと応答しませんでした。それでメールを送ったら

自動回答に「こんにちは、私は今000中だ.. 4月3日に戻る。」という自動回答が来ます。待ってみましょう。

NymVPN Privacy Policy

https://nym.com/vpn-privacy-statement ここで全文およびアップデートされた内容を見ることができます。

気になる部分を短く要約すると「出口ノードの国家法に従って傍受の有無が決まるが提供する意味のあるデータがない。テレメトリ機能活性化同意すればIPアドレス含むかなり多くの情報を収集する。」

詳しく知りたい方は以下NymVPN個人情報処理方針（バージョン1.1、2025年1月8日付）日本語翻訳内容です。

NymVPN 価格および割引方法

価格ポリシーはただコイン決済しろと作っておきました。

暗号通貨決済、NYMトークン決済は50%割引が入ります。2年決済基準$65.88です。

トークン決済を押すと5分間維持される支払いアドレスが生成されます。暗号通貨決済方式はアクセシビリティが良くないため多くの方々が割引効果を享受することはできませんがそれでもNymVPN 50パーセント割引なので必要な方は学んででもされると思います。

[アップデート]

レビューを作成しながらサポートチームに質問を送りましたが調べて連絡すると回答を受けましたが20日程度が過ぎても返事がありませんでした。

まだ人材やシステムがきちんと備わっていないように見えます。その後も数ヶ月が過ぎましたが何の返答もありませんでした。

終わりに

Nym NodeはTorと似たように多くの人々のネットワークで構成されますが異なる点はNymトークンを通じてユーザーは費用を支払い、サーバー運営者は報酬を受けることになるのですがこのエコシステムがよく維持されてこそ持続可能です。維持され成長するには良質のサーバーがもっと多くできなければなりませんがこれはトークンの価値が確実な利益になってこそ可能なシナリオです。

既存のVPN会社は伝統的な方式で顧客にお金を支払ってもらいそのお金でサーバーを維持していくため会社がある程度定着すれば変動性がほとんどありませんが、NymVPNのネットワークは非常に実験的な方式なので今後どのように維持されていくか気になります。

そのため今すぐ2年決済は冒険になってしまい当分長期決済顧客は集めるのが難しいかもしれません。1年、2年程度は見守らなければならないようです。

ホームページ : https://nym.com/ でより多くの情報を得ることができます。

レビュー作成後8ヶ月程度が過ぎてホームページと技術的な部分をチェックしましたが変わった部分はあまりなく、7日の短い返金期間と新生会社が経験するしかない評判と信頼不足、そして価格も非常に高い方なのでNymVPNが十分なユーザーを集めるまで最小3年以上の時間がかかると思われます。今は使用する時期ではありません。

まだどのVPNが良いか分からないなら[最新版最高のVPN順位と説明]を読めば素早く賢明な選択ができます。